1. 巻頭言 新たな体制への期待 学術情報センター研究開発部 浅野 正一郎 JPNICの発足以来、非営利ネットワークの分類を得て会員として参加してきて いる。今日のJPNICは、当初のボランティアとしての活動に携わった委員や現 在の事務局長を始めとするスタッフの献身的な努力により、大きな変貌を遂げ ている。これは単に、インターネット事業者を中心とした会員の増加やJPNIC の財政基盤の確立のみでなく、社会的な認識が高まったことが特筆されなけれ ばならない。 このような経緯を継承することは当然であるが、インターネットが先人の手 から離れ、社会への要請に広く応えていくための体制の整備も怠ることはでき ない。現在、任意団体から法人へと組織を変更するための作業が行なわれてい るが、これとて体制の整備の一部でしかない。現在抱えている事業経営に係わ る諸問題の解決方法について、事業者やオペレータの意見の集約を経て社会に 働きかけるための行動や、ネットワーク利用に伴う諸制度の在り方に関する見 解を示すことなど、より積極的な活動が展開できる体制とすることが目標と信 じている。またインターネットの高度化のための技術検討や新技術のβ試験な ど、多くの関係者の参加が前提となる活動は、JPNICを発展させ、また活力あ る人材を登用しつつ活性な組織を維持し、日本では経験しなかった組織とする ことは十分に可能であろう。インターネットが生んだカルチャーは、魅力ある 組織を形成するものと確信している。