29 甲斐の四季(民謠)
――春――
霞こめたる富士ヶ嶺の
殘んの雪もいつしかに
東風吹きそめて笑ひ顏
とけてうれしき桂川
――夏――
登る若鮎せきとめて
誰が作るか瀧の糸
高くかけたる猿橋の
大月清み夕凉み
――秋――
秋を知れとや笛吹の
流れの奧の金峯山
樹々の錦は瑞牆の
光り尊き御嶽道
――冬――
木枯すさぶ八ヶ岳
誰も寒さは身にしみ/″\と
思ひぞ積る小淵澤
來る春を待つ冬ごもり
この外音頭には甲州音頭、市川音頭、甲州小唄、觀光小唄等々々[# 「々」が一つ多いと思われる]がある。クラシカルなものには、粘土節、馬八節があり、新曲でリズミカルなものには葡萄の國がある。
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