smbclient (1)

Samba 2.0.5a

23 Oct 1998 (JP-1999/03/20)


NAME

smbclient - サーバ上の SMB/CIFS リソースにアクセスする ftp ライクなクライアント


SYNOPSIS


smbclient servicename [password] [-s smb.conf] [-B IP addr] [-O socket options][-R name resolve order] [-M NetBIOS name] [-i scope] [-N] [-n NetBIOS name] [-d debuglevel] [-P] [-p port] [-l log basename] [-h] [-I dest IP] [-E] [-U username] [-L NetBIOS name] [-t terminal code] [-m max protocol] [-W workgroup] [-T<c|x>IXFqgbNan] [-D directory] [-c command string]


DESCRIPTION


このプログラムは Samba システムの一部である。


smbclient は SMB/CIFS サーバと'会話'をする事ができるクライアントである。 ftp プログラム ( ftp(1)を参照)と同様のインタフェースを提供し、 サーバからローカルマシンにファイルをダウンロードしたり、 ローカルマシンからサーバへファイルをアップロードしたり、 サーバからディレクトリの情報を得る等の動作を行なう。



OPTIONS



OPERATIONS

クライアントが起動すると、ユーザには以下のようなプロンプトが表示される。


smb:\>


バックスラッシュ("\")は サーバ上の現在の作業ディレクトリを示しており、 作業ディレクトリを変えると、この表示も変わる。


このプロンプトは、クライアントの準備ができ、 ユーザのコマンド実行を待機している事を示している。 各コマンドは、一つの単語であるが、 コマンドによっては、コマンド固有のパラメータを指定する事もできる。 コマンドとパラメータは、特に注釈がない限り、スペースで区切られる。 全てのコマンドは大文字小文字を識別しない。 コマンドのパラメータは、 コマンドによって大文字と小文字が区別されたりされなかったりする。


スペースが含まれているファイル名は、名前をダブルクオート文字で、 例えば、"a long file name" のように括る事で指定できる。


大括弧("[" と "]"))で括られて示されているパラメータ (例えば "[parameter]")は、オプションである。指定されなかった場合、 コマンドは適切な既定値を用いる。 不等号記号("<" と ">")で括られて示されているパラメータ (例えば "<parameter>")は、必須である。


サーバ上でのいコマンドの実行は、 実際にサーバに対して要求を発行する事で実行される事に注意してほしい。 従って、その動作はサーバ間で異なる場合があり、 サーバの実装方法に依存している。


利用できるコマンドを以下にアルファベット順で紹介する。



NOTES


サーバによっては、与えられたユーザ名、パスワード、 共有名(サービス名とも言う)、マシン名などの大文字小文字を厳格に識別する。 サーバへの接続が失敗したときは、 すべてのパラメータを大文字にして試してみよう。


ある種のサーバに接続するときには、 -n オプションを使わなければならないような場合がよくある。 たとえば OS/2 の LanManager では、 有効な NetBIOS 名が使われていなければならない。 よって、サーバが知っている有効な名前を与える必要がある。


サーバが LANMAN2 プロトコルをサポートしている場合、 smbclient は長いファイル名をサポートする。


ENVIRONMENT VARIABLES

変数 USER の値は、クライアントが使用するユーザの名前となる。 この情報は、プロトコルのレベルが充分高く、 セッションレベルのパスワードをサポートしている場合にだけ利用される。


変数 PASSWD の値は、 クライアントが使用するユーザのパスワードとなる。 この情報は、プロトコルのレベルが充分高く、 セッションレベルのパスワードをサポートしている場合にだけ利用される。


INSTALLATION

クライアントプログラムをどこに置くべきかは、 各システム管理者が判断すべき問題である。よって、以下はただの提案である。


クライアントソフトウェアは /usr/local/samba/bin か /usr/samba/bin にインストールし、 ディレクトリは全ユーザから読み出し可能で root のみ書き込み可能にすることが推奨される。 クライアントプログラム自身はすべてのユーザから実行可能にするべきである。 クライアントを setuid や setgid しないように!


クライアントのログファイルは、 そのユーザだけが読み書き可能なディレクトリに置くこと。


クライアントをテストするには、 動作している SMB/CIFS サーバの名前を知らなくてはならない。 smbd (8) を一般ユーザでも起動することができる。 その場合、ユーザが利用できるポート (たいていは 1024 より大きいポート番号ならどこでもよい) でデーモンとしてサーバを起動することで、適切なテスト環境となるだろう。


DIAGNOSTICS


クライアントによって出されたほとんどの診断メッセージは、 指定されたログファイルに記録される。 ログファイルの名前はコンパイル時に指定されるが、 コマンドラインで変更することもできる。


利用できる診断メッセージの量と内容は、 クライアントで設定されたデバッグレベルに依存する。 問題を抱えているなら、デバッグレベルを 3 に設定してログファイルに目を通してほしい。


VERSION


このマニュアルは、Samba システム の バージョン 2.0 に適用される。


SEE ALSO


smb.conf (5), smbclient (1), smbpasswd (8)samba (7).


AUTHOR


オリジナルの Samba ソフトウェアと関連するユーティリティは、 Andrew Tridgell samba-bugs@samba.org によって作成された。 現在 Samba は、Samba Team によって、Linux カーネルの開発と同様に、 オープンソース・プロジェクトとして開発されている。


オリジナルの Samba マニュアルは、Karl Auer によって執筆された。 マニュアルのソースは Jeremy Allison samba-bugs@samba.org によって YODL 形式に変換され、Samba 2.0 リリース用に更新された。 (YODL はオープンソース・ソフトウェアの優れた作品である - ftp://ftp.icce.rug.nl/pub/unix/ から入手可能)


貢献者の一覧、バグ報告やコメントなどの提出方法の詳細については、 samba (7) を参照のこと。


このマニュアルの日本語訳(1999/03/20 更新)の作者:

補訳・校正